吉和の天然湧水栽培のわさび
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〜吉和の天然湧水栽培のわさび〜
今回の逸品探し旅、吉和で天然のわさびを作られている植本直樹さんのお店を訪ねました。今回のレポートは写真係としてご一緒させてもらった、三田商店スタッフのほうから書かせていただきたいと思います。
車で吉和に行ったのですが、吉和は、の〜んびりした時間が流れているという言葉がぴったりの素朴な町でした。ここはゴッホの『農婦』の絵が見れる町として一躍有名になった町でもあります。高速の吉和インターを降りてすぐに植本さんのお店に直行。京都の老舗の漬物屋さんを彷彿させるような素敵なお店が目の前にありました。
植本さんが作られているわさび田を見せていただけるとの事で、車2台で出発!その時に植本さん、確かに「わさび田はここからすぐです」とはっきり、くっきり言われていたのでお店のすぐ上のほうにあるのだろう……と軽い気持ちで出発したのです。
前の車には植本さんと我が三田商店のドン三田おやじ、その車を追いかけるように行ったのですが、道の途中の景色はきれいな水が流れる素晴らしい渓流、見渡す限り木々の緑でいっぱい。「ああ、ここで車を止めてのんびりできたら、最高!やっぱり田舎っていいわぁ」と思っていたのですが、行けども、行けども植本さんの車は止まりません。するといきなり植本さん、「こりゃ、道じゃないじゃろ」というような砂利道へ……。
あまりのひどい道に「うそ〜。だれかうそって言ってぇ」と絶叫しながら前を見ると、植本さんの車ははるかかなた。左側はガードレールなしの切り立った崖。道の所々で土砂崩れ。「植本さん、待ってぇぇぇぇ」と涙目になりながらそこから延々40分は運転したでしょうか。絶対人は来ないような、そんなところで車はやっと停車しました。
よれよれになりながら車を降りると、そこには涼やかな、何事もなかったような顔で立っている植本さんと三田おやじが談笑していました。
植本さんは、私をちらっと見ると「その靴じゃ歩けんでしょう」と長靴を貸してくださいました。そう…私は観光気分でスーツ姿だったのです。
わさび田にはいろいろな栽培方法がありますが、そこは畳石式という豊富な水量が必要で、傾斜地を段々に石垣で石組みする方式で栽培しておられました。原生林の中のわさび田、透き通るようなきれいなわき水の中で静かに揺れているわさびはまるで芸術のようでした。わさびはポットに種を落として畑で育て苗になるまで半年、植えて2年たたないと収穫できないそうです。植本さんは、週に4日も毎日あちこちのわさび田の手入れをされているとのこと。この苦労あってこその、最高のわさびなのだと深く感銘を受けました。
感動している私のそばで植本さんが、「次は地沢式のわさび田に」と案内してくださいました。車でまたあのジェットコースターのような道をしばらく行くとありました。が……そのわさび田は渓流の向こう側に見えるのです。「どっから渡るんじゃろ」と橋を探していた私の目の前を、ひょいひょいっと石から石に飛び移り、軽やかに渡っていく植本さんが……。「だれか、うそって言って。お願い」ひきつり顔の私の目の前をまたも三田おやじがひょいひょいと……。覚悟を決めた私。さぁ、と思った瞬間…川の中に落ちました。
その後は植本さんの素晴らしいエスコートでなんとか川を渡り、見えたわさび田は!渓流を利用して作られた、これまた素晴らしいわさび田でした。地球を通ってきた天然ミネラルいっぱいの水。その水自体に力があるため、肥料はまったくいらないそうです。「ああ、こんな素晴らしいところが日本にあったのか」と激しく感動している私のそばで、植本さん、「今の時期は子熊に出会ったら気をつけないと。親熊ならいいけど、子熊に出会うと必ず近くにいる親熊に襲われるから」と一言。ああ、植本さん、私親熊も子熊もイヤです。
帰りもあの、道ではない道をひたすら運転して帰ったのですが、お店の中にやさしい奥さまの笑顔が見えた時には心底ほっとしました。
ただの人ではない植本さんがつくられる、わさび葉漬け。私も食べましたが最高においしいです!ほんまもんのわさびの辛みがぴりっと効いて、お酒にもご飯にもぴったりです。三田おやじの見る目って、本当に確かなんだなとスタッフの私も改めて確信した旅でもありました。
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